舞芸時代、青年津村と青年古山、そして青年蓬莱は仲が良く、 特に青年津村とはほぼ毎日一緒にいた。毎日一緒に飯を食い、酒 を飲み、野球ゲームをし、演劇を語る。ホモ説すら流れた。そこ に青年古山も時々は同席し、共に発表会なども企画して、自分達 の表現の場を求めた。そこには青年津村、青年古山のみならず何 人かの仲間がいた。しかし西條さんはそこにいない。ほとんど交 流がなかった。確かに最初は苦手だったが、時間が経つにつれそ ういう感覚もなくなっていた。クラスの中でも違うグループとい うか集団にいるような感じで、お互い嫌いとかは全くない(と、 こっちは思っている)のだが、あえて放課後の行動を共にするこ とはなかった。不思議なものである。この時僕は、青年津村や青 年古山たちと劇団をつくり、やっていくとは思っていたのだが、 西條さん、全くノーマークである。これは僕に限らず、津村や古 山もそうだったのではないだろうか。  とにかく僕たちは出会った。この出会いが吉なのか凶なのか、 いつその答えが出るのだろうか・・・。(つづく)
第一話「旗揚げまでに語るべきいくつかのこと(前編)」蓬莱竜太










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