をやるには僕も役者も整っていなかった。ここでも「集団と個」と
いうテーマは変わっていない。本当はその馬鹿馬鹿しい設定を利用
して深いところに辿り着けた、辿り着くべき物語だった。しかし若
さゆえ「お馬鹿な芝居」が前面に、全面に出てしまう。「足し算」
ばかりでまだ「引き算」を覚えていない時代、24歳の春である。
そもそも客も何も定着していない二作目に忍者やっても、え、そ
ういう集団?どういう集団?みたいになる。早かった。もう少し温
めておいてもよかった。
と、反省ばかり書いているがやはり楽しかったのには変わりない。
当時は当時で全力だったから仕方ない。反省は多分にあるが後悔は
していない。またいずれリベンジする。全てを作り直してリニュー
アルしたい。そう考えると、リニューアルしたい作品は結構あるよ
うな気がする。発想はいいが生かしきれていないものが今思うとあ
る。戯曲、演出をリニューアルして新作ならぬ真作として上演する
のも悪くない。
しかし若さというのは本当に可愛い。
この作品の中盤で忍者が凧に乗って舞い上がり、里にSOSを出す
というシーンがある。漫画やアニメなどでご覧になったことはない
だろうか。忍者が両手、両足を大の字のように延ばし、巨大な凧を
背に浮遊している画を。あれをやりたかったわけである。そうなん
です、小さな劇場であれをやりたいと思うなよって話です。そもそ
も劇場事態そんなに高さがあるわけでもないのだから、飛ばしても
第五話「忍者の話だ『つくば寺セブンローズ』」蓬莱竜太