第六話 海底の話だ『ベリーブルーベリー』
蓬莱竜太
久しぶりのモダン論本編だ。ようやく戻ってこれた。もう二度と
戻れないかと思った。まだ第六話か。
さて、モダンは第三回公演を迎える。2001年の冬、13年前
である。つまり25歳か。本当に年月を数えると最近やたらゾッと
する。そう言えば若い頃おじさん達がそんなことをよく言っていた
ことを覚えている。今、まさにそれである。なんてことを言ってい
たおじさんたちの記憶もある。立派にそういう歳なんですな。語る
過去が増えていくのだな。もう未来より過去の方が分量的に多くな
る歳に差し掛かった。自分の人生が見えてくるなんて言うが、それ
は終わってしまった分量が未来より多くなるからだろう。演劇なん
かやっていると自分の歳と社会的な歳との開きがどんどん広くなっ
ていく。いつまでもやんちゃな若者の気持ちのままでいるので、時
々自分の年齢に立ち返るとぐおおっと呼吸困難に陥ってしまう。そ
れでいて若い人と飲んだりすると、「まだまだ若いなぁ。これから
だよなぁ」という例の台詞を普通に口にしてしまったりもする。何
だか複雑な年齢だ。
最近思うのだが、過去の分量の方が多くなった人間は、自分のこ
とに一生懸命なのはいいがそれだけではもうダサい気がする。やは
第六話 海底の話だ『ベリーブルーベリー』蓬莱竜太