が少しずつ違うものに見え始めてきたのかも知れない。自分が思っ
ていた明るい女は本当はもっとミステリアスな存在だということに
うっすら気づき始めた感覚だ。しかし、どうしていいかわからない
のだ。何せ固定観念の中で表現していた自分である。じゃあ、何を
する。何をどう思考する。何かの真似をするのと、自らの表現をす
るのとは天地ほど意味が違う。とどの詰まり、作家も演出家も役者
もポイントはここだろう。ここだと僕は思う。真似か自分か。
「ベリーブルーベリー」の終演後。酒の席で僕は演劇の先輩方に
囲まれていた。先輩方というか、年齢差はもう息子と父親くらいの
ものだから、僕からしたら重鎮の方々である。僕はおかげで(?)
よく囲まれるのだ。
まぁ、とにかくそこまで言うかという程けちょんけちょんに言われ
たものだ。
書ききれない。皆、酒も呑んでいる。こういうものは相乗効果でど
んどん拍車がかかるものだ。終わらない。生けるサンドバッグと化
した僕はノーガードで打たれ続けた。確かに的を得ている意見が多
い。しかしその中でも、おいおいそれは違うだろ、みたいな意見も
挟み込まれるが、重鎮方はそうだそうだと盛り上がっている。今だ
からわかるがそんなものは酒のつまみである。しかし当時の僕はそ
れを理不尽だと考え同調はしない。そういう態度が生意気と言われ
たりもした。しかしノーガードの人間をそんなに殴ってんだ、それ
なりに覚悟して発言しろよと思うのだ。まぁしかしそれにしてもこ
第七話「人生を変える言葉」蓬莱竜太