短ラン、長ランの世界。バイクを舞台に入れたり、ブルーハーツを
恥ずかし気もなく使ったりと、とにかく僕の思春期、日本海と曇天
の町を表現した。その世界の中に生きる孤高の男、坂本シンヤ。生
まれついた環境を呪い憎んでもいいような不遇さのなか、彼はそれ
を受け入れ毎日新聞を配達する。彼を慕い、彼のもとに人は集まる
が彼は自分のまわりに人を増やして生きることを拒絶して生きる。
男は黙って新聞配達。もう高倉健である。気分は日活映画である。
大マジだ。ビンタ炸裂、乱闘もある。ヒットマンも現れ、島は坂本
シンヤを中心にとても荒れる。全然今風じゃない。もう関係ない。
もういい。何が「モダン」だ。さらば「モダン」。日本の片隅で生
きているこの男が「東京」という実態のない街を打ち負かすんだ。
そして僕たちはこの芝居を上演した。
さぁモダンスイマーズの運命や如何に!!(つづく)
第八話「デンキ島とは」蓬莱竜太
平
成
二
十
六
年
五
月
某
日
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宅
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て