店に行く時間帯でスープの濃度が若干違う。これまた楽しい。店に
は特製豆板醤があり、僕はこの豆板醤をラーメン鉢のふちに器用に
這わせるように乗せる。それを少しずつスープに溶かしながら食べ
る。さっぱりの中にピリッとする辛みがたまらない。「上海やきそ
ば」はこれまた焼きそばにあらず。特製ソースとうどんに近い手打
ち麺を絡めながら野菜と炒める。野菜たっぷりでこのソースがえげ
つなく美味い。アツアツでボリュームもあり、これまた特製豆板醤
を絡めながら食べる。テンション高めのメニューである。さっぱり
いきたいときは「鶏そば」。がっつりいきたいときは「上海やきそ
ば」。もうダメだ。僕はあれから禁断症状が出てしまう。やっぱり
あのとき僕がオーナー継ぎますって言えばよかった。中国人の料理
人からレシピを教わればよかった。一生食べられない。週二回食べ
ていたものが、一生食べられない。ものすごい拷問。鬼拷問。これ
は僕の生活リズムを大きく変えた。いつもその店まで散歩がてらに
ブラブラ歩いていた、それだって大事な気分転換である。どれだけ
願っても「ヤンヤン」は戻らない。今もつらいよヤンヤン。君の代
わりがいないんだ。
古山が再婚した。古山という男は色々な問題を避けて通っている
のに、結局それが色々な問題を引き起こし、問題がふりかけのごと
く「古山米」にふりかかってくる。いや自らふりかけている男であ
る。お前馬鹿だなぁ、とか僕は飲み屋で言ったりするが、よく考え
復活編「どんな顔をして再開すればいいですか」蓬莱竜太